症状別コラム

慢性腰痛

【腰痛の定義】
有症期間
発症からの期間が4週間未満を急性、4週間以上3ヶ月未満を亜急性、3ヶ月以上を慢性とするのが一般的ですが急性と亜急性を発症からどの期間で分けるかについての一定の見解は得られていません。
慢性腰痛に関しては3ヶ月以上というコンセンサスはほぼ得られています。
原因
脊椎、神経、内臓、血管、心因性の5つに分類されます。
このなかでも特異的腰痛非特異的腰痛に分類することができます。
・特異的腰痛は①重篤な器質的疾患の可能性がある場合(骨折、感染、腫瘍など)、②神経症状を伴う場合(症候性の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など)
非特異的腰痛は明確な器質的異常や神経学的所見の異常がない腰痛のことです。
※引用文献 非特異的腰痛のリハビリテーション(羊土社)

今回ご紹介するのはDPCでの非特異的な慢性腰痛の改善トレーニングと症例になります。
30歳代の女性。腰痛発症期間は2年間。
慢性の腰痛でお困りでしたら参考にしていただければ幸いです。

腰を反った姿勢が正しい姿勢ではない

キレイな姿勢と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか。
腰を軽く反らせて、お腹を凹めて。といったイメージをお持ちの方が多いのが現実です。
この姿勢が定着してしまうことで腰の筋肉のスイッチが入ったままになります。
腰の筋肉(後側)が緊張した状態では腹筋(前側)は弛緩した状態になり前後のアンバランスが定着してしまいます。
DPCで行っている3つのステップに沿ってご案内していきます。

①腰の緊張をリセットする

呼吸のエラーパターンを解除する。
・息を吸ったときにお腹が凹む。
・肩が上がる。など
こういったエラーパターンになっていないでしょうか。
脊柱を丸めれるようにする。
日常の座った姿勢においても背筋を伸ばす必要はありません。
(今回ご紹介させていただくお客さまは腰だけでなくハムストリングスを中心に全身の筋肉が過緊張になっており、この段階に7割くらいの期間を費やしました。)

②腹筋を目覚めさせて機能させる

いわゆる腹筋の筋トレではなく姿勢維持に必要なインナーマッスルをコントロールします。
機能的な体幹をつくります。

③機能的な体幹で動けるようにする。

様々な運動を行い無意識的に良い姿勢で体幹を使えるようにします。

おわりに

今回は6回のトレーニングで非特異的な慢性腰痛から解放された30歳代の女性の症例でした。
正しい姿勢の誤った認識が2年間もの慢性腰痛を引き起こしていました。
トレーニングの中で自分の身体に対する気付き、そしてご本人の努力が実った結果です。